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【最新国防ファイル】「地下鉄サリン事件」でも成果 化学兵器などを研究し、教育訓練を行う「化学学校」 (2/2ページ)

 この化学教導隊ができるまで、化学学校には、第101化学防護隊が置かれており、この部隊が教育支援などを担ってきた。発足当時は、日本で唯一、NBC兵器に対応できる装備と知識を持つ部隊だった。そこで、1990年9月30日に発生した「東海村JCO臨界事故」や、95年3月20日に発生したオウム真理教による「地下鉄サリン事件」にも出動した。

 こうした世界でも類を見ない事故・事件に対処した第101化学防護隊であるが、教育支援の任務を解かれ、現在は陸上総隊直轄の中央特殊武器防護隊となった。

 化学戦は、陸自にとっては基本中の基本だ。それこそ、新隊員の前期教育で必ず対化学防護を学ぶ。隊員個人装備として、防護マスクや化学防護衣を必ず持っている。化学兵器は無味無臭のものもあり、「あるエリアだけ草木が枯れている」「動物の死骸がたくさん落ちている」といった異変を確認すれば、すぐさま着用するためだ。

 化学兵器の検知や除染を学ぶための屋内型訓練施設もある。排気・排水機能が整備されており、実際に中和剤を用いた本格的な対処訓練もできる。こうした施設があるのはここだけだ。

 日本は化学テロを経験した、数少ない国の一つだ。あの時、陸自はすぐに対応し、除染活動を実施し、警察や消防に装備や知識を与えることができた。それも化学学校での教育の成果であった。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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