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【長谷川幸洋 ニュースの核心】米大統領選、バイデン氏勝利なら一段と中国に警戒を 国務長官は尖閣問題で明言を避け日本には冷たいライス氏が候補 (2/2ページ)

 だが、専門家の間では「選挙が終われば、公約集はゴミ箱行き」というのが、通例だった。むしろ、「例外的に公約に忠実なのはトランプ氏」と言われるほどだ。

 注目されるのは、国務長官人事だ。有力候補の1人が、バラク・オバマ政権で国連大使と大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を歴任したスーザン・ライス氏である。

 ライス氏は大統領補佐官時代、2013年11月の講演で「中国と新たな大国関係を機能させようとしている。利害が一致する問題では協力できる」と語り、中国が唱えた「新たな大国関係」を容認する考えを述べていた。補佐官時代には、習近平国家主席とも会談を重ねている。

 一方、日本には冷たい。同じ講演で沖縄県・尖閣諸島について、「米国は主権の問題には立ち入らない」と述べて、尖閣が日本の施政権下にあるかどうか、明言を避けた。中国にとって、願ってもない国務長官になるのは間違いない。

 認知症疑惑も指摘されるバイデン氏が、中国と本気で対決するとは思えない。菅義偉政権は、バイデン勝利の可能性も織り込みつつ「一段と強気になる習政権」に備える必要があるだろう。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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