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【高橋洋一 日本の解き方】米司法省のグーグル提訴は選挙前の政治的意図が強い 「GAFA」への影響は限定的 (1/2ページ)

 米司法省が独占禁止法(反トラスト法)に違反したとして米ネット検索最大手のグーグルを提訴した。

 司法省は、検索サービスで9割超の世界シェアを握るグーグルが不当な取引を続けてきたとしている。具体的には、iPhone(アイフォーン)を手がけるアップルに年数十億ドル(数千億円)を支払ってグーグルの検索サービスを初期設定にしているほか、アンドロイドOS(基本ソフト)を使用するスマートフォンのメーカーや通信会社とも契約を締結し、グーグルの検索サービスを初期設定としている。

 米司法省の独禁法違反提訴で思い出されるのは、1980年代のIBM、AT&T、90年代のマイクロソフトである。この中で、解体されたのはAT&Tだけで、IBMとマイクロソフトは実質的に勝っている。

 欧州では、欧州連合規制当局がグーグルに対し、過去10年間で3件の独禁法違反訴訟を起こし、80億ユーロ(約1兆円)超の罰金支払いを命じてきた。グーグルにとっては「必要経費」にほかならず、解体には至っていないので実質的勝利だといえる。

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)には比較的寛容だった米国も、とうとうグーグル提訴に至ったわけだ。

 一般論では、米共和党政権は独禁法違反提訴に消極的、民主党政権は積極的だ。ただし、グーグルについては、共和党議員も民主党議員も独禁法適用については前向きだ。

 遅かれ早かれ司法省が独禁法違反で提訴したと思われるが、大統領選も佳境のこのタイミングで、トランプ大統領が先手を打って、実行力を見せつけたとみることができる。

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