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【高橋洋一 日本の解き方】学術会議と「学問の自由」の関係 多額の研究予算こそ貢献、政治的な偏りは侵害の恐れ (1/2ページ)

 日本学術会議の任命拒否問題をめぐり、「学問の自由が侵害される」という声が学者側から出ている。学術会議と学問の自由は関係があるのか。学問の自由を守るには何が必要なのか。

 学問の自由とは、研究、発表や研究者の学問的活動において外部からの介入や干渉を受けない自由だ。研究の自由は、反倫理的な生体実験などで一定の規制があるが、それ以外では本来自由である。日本学術会議では、防衛研究を規制すべき分野としているが、これは世界のいかなる研究の自由とも相いれない非常識なものだ。研究成果は発表してその価値がわかるので、研究者仲間に対する発表、世間一般への研究者のそれぞれの自由が当然に付随してくる。

 明治憲法では、学問の自由を保障する規定はなかったが、大学自治は慣行として確立していた。しかし、1930年代でそれらは大きく侵害されていった。戦後の日本国憲法では、「学問の自由は、これを保障する」(23条)と明文の規定とされている。

 学術会議会員は、現行制度では学術会議が国の機関であるので国家公務員という立場で、政府による任命となっている。しかし、学術会議会員は、全体の研究者からみればごく一部である。会員は研究者による選挙で選出されていないので、学術会議が研究者の「国会」であるわけがない。

 誰が会員になっても、会員以外の一般研究者の研究が制約を受けるわけではないので、学術会議と学問の自由に関係はない。むしろ、今のように学術会議が防衛研究に制約をかけていることが学問の自由を侵害している。

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