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【高橋洋一 日本の解き方】大阪都構想の住民投票が否決 投票直前の捏造試算と報道が多くの市民の「誤認」招いた恐れ (1/2ページ)

 大阪都構想をめぐる1日の住民投票は、反対多数となった。5年前の2015年5月に行われた住民投票では僅差で否決された。今回は、前回に反対した公明党が賛成に回ったが、再び否決された。日本維新の会は府と市の二重行政をなくすことを目指していたが、市の存続を市民は選択した。

 今回の住民投票の過程で、残念なことが起こった。最終段階になった10月23日、あるテレビ討論で、共産党の市議が松井一郎大阪市長に対し、「大阪都構想実現で行政コストが218億円増加する試算がある」と質問した。松井市長は誰の試算なのかと返答したが、市議ははぐらかした。

 投票1週間前の26日の毎日新聞1面には「市4分割 コスト218億円増 大阪市財政局が試算」という記事が出た。「大阪市を四つの自治体に分割した場合」という書き出しで、総務省が規定する「基準財政需要額」がどうなるかという記事だった。この記事は、NHKと朝日新聞により追随され、広く流布された。これらの記事をもとに、大阪都構想がコストアップになると、自民党、共産党、学者らの都構想反対派に利用された。

 27日に大阪市財政局長が記者会見し、報道機関の求めに応じた機械的試算と釈明した。ただ、4分割とは4つの「政令市」に分割した場合とした。松井市長は、この試算は市長の知らないところで行われ、報道機関に伝えられたとした。元大阪市長の橋下徹氏は「大阪市役人のクーデター」とツイートした。NHKと朝日新聞は、4分割を「特別区」と報じたために、小さく訂正した。

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