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【日本の元気 山根一眞】デジタルモノ「規格統一」求める プリンターとインクなど多くのユーザーに経済的損失 (2/2ページ)

 このプリンターとインク、トナーの規格不統一は、あまりにもひどい。パンツによって履くことができるズボンが異なるような話だ。同じパンツでも色違いであれば一つのズボンが履けるが、ズボンを処分したあとは対応するパンツは、新品も含めてすべてを処分しなくてはならないのと同じ話なのだ。

 プリンターとインクは多くのユーザーに経済的な損失をもたらしている。犯罪に等しい生産行為とも言いたくなる。プリンターはコンビニで利用すればいいという考えもあるが、仕事ではそれではままならないことが多いのだ。

 こういう規格の不統一はデジタル機器ではきわめて多い。黒いゲンコツのようなACアダプターもその一つだ。電圧、電流の容量が異なるのみならず、先端のプラグの形状がこれまた多種多様だ。そのため、わが書斎には処分した機器用のものも含めていつの間にかえらい数のACアダプターがたまり、まるで小さな採石場だ。

 ACアダプターの規格はせめて10種類くらいに統一すべきだ。本体にタイプがわかる番号と色の縞をつけて、機器側にも同じ番号と色縞があれば間違いがない(電子部品の「抵抗」は色縞で規格統一している)。

 プリンターやACアダプターもメーカーが「自由奔放勝手やり放題」で理想とする製品を生産しているため、ユーザーに大混乱と資源・エネルギーの無駄をもたらしている。デジタル庁の発足が準備中だが、こういう基本的なデジタルモノの「規格統一」を「罰則を含めて」真剣に考えるべきだ。

 ■山根一眞(やまね・かずま) ノンフィクション作家、福井県年縞博物館特別館長。愛地球博愛知県総合プロデューサーなど多くの博覧祭も手がけてきた。近刊は『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』。「山根一眞の科学者を訪ねて三千里」(講談社)を連載中。理化学研究所名誉相談役、JAXA客員、福井県交流文化顧問、獨協大学非常勤講師、日本文藝家協会会員。

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