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【高橋洋一 日本の解き方】雇用環境悪化する技能実習生、留学生アルバイトも問題あり 不適切使用が指摘されてきた在留者の社会保障制度の整備も行うべき (1/2ページ)

 北関東で家畜や果物が大量に盗まれた事件で、ベトナム人グループの関与が指摘されている。技能実習生として来日し、新型コロナウイルスの影響で仕事がなくなったことが背景にあるとも指摘されている。これまでにも技能実習生や留学生の労働環境が問題になってきたが、制度や運用を見直す必要があるのか。

 事件は、埼玉、栃木、群馬の各県で起こった。技能実習研修を終えたが、コロナ禍でベトナムに帰国できない中、解雇され、生活に困って犯行に至ったという事情の人もいたようだ。

 政府は、コロナ期間中に技能実習研修を終えた場合、新たな職場で働くことを認めるなど、人道的な配慮をしていたが、十分に機能していなかったのだろう。そもそも国内の雇用環境全体が悪化しているからだ。

 技能実習研修制度は、そもそも海外進出した日本企業が現地法人から技術や知識を習得させるために現地社員を日本に招いたのに始まり、1993年に本格導入された。もともとの制度の趣旨はよかったが、近年では、当初の趣旨が失われて、単なる低賃金労働者の確保だという指摘もある。国際団体などから、外国人労働者の人権問題についての批判もある。

 このため、政府も、2019年4月から新たな在留資格「特定技能」を新設し、人材不足が深刻な14業種を対象にした。19年度から5年間で最大34万5000人の外国人労働者の受け入れを見込み、技能実習研修制度の段階的な振り替えをもくろんでいる。

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