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【長谷川幸洋 ニュースの核心】改憲へ「大阪都構想の教訓」 成功の条件は「朝日新聞が内部分裂するほど賛否が拮抗する」ような環境 (1/2ページ)

 大阪都構想の是非を問うた、大阪市の住民投票が反対多数で否決された。一部メディアによる投票直前の「誤報」騒ぎや、コロナ禍での投票が不利に働いたのではないか、との見方もあるが、根本的には、市民の強い「現状維持志向」を打破できなかったことが敗北の理由だろう。

 私は都構想の実現で「大阪全体が新たな活力を得て、生まれ変わるのではないか」と期待していたが、これも市民の選択である。2025年には大阪・関西万博もある。市民は元気な大阪を目指して、別の道を探ってほしい。

 この結果を受けて、日本維新の会代表の松井一郎大阪市長は23年4月の任期満了とともに、政界を引退する意向を表明した。代表代行の吉村洋文大阪府知事も「自分が都構想に再挑戦することはない」と語った。かつて維新を率いた橋下徹氏も15年の住民投票敗北を受けて、政界を引退している。

 看板政策の失敗を理由に政治家を辞めるのは、「潔い」と言えばその通りだが、割り切りが良すぎて、働きに期待していた国民には「2重のがっかり感」もあるかもしれない。

 何せ、野党の中には、任期中に党勢が飛躍的に拡大したとも聞かないのに、20年間も党の最高責任者を続けている御仁もいるのだ。

 代表が政界を引退し、看板政策の旗も下ろすとなると、政治的な影響は大阪にとどまらない。国政にも影を落とすだろう。特に心配なのは、憲法改正への影響だ。

 改憲発議には、衆参両院で3分の2以上の賛成が必要だが、参院では自民、公明の与党だけでは足りず、維新の協力が不可欠になっている。いずれ1年以内にある総選挙でも維新の存在感が薄れるようだと、改憲が遠のいてしまう。

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