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【高橋洋一 日本の解き方】中国・習政権が直面する課題 香港とコロナで「戦略ミス」、経済目標も達成困難な状況 (1/2ページ)

 中国の習近平国家主席が、「2035年までに経済規模または1人当たりの収入を倍増させることは可能だ」と述べたと伝えられている。

 19年時点で、中国の1人当たり国内総生産(GDP)はほぼ1万ドルだ。本コラムで再三紹介してきたが、どこの国でもこれまでの経験則では、1人当たりGDPには「1万ドルの壁」がある。

 成長すると、経済的な自由を求めるようになってくるのが世界の常であるとともに、1万ドルを超えて成長しようとするなら、経済的な自由が必要である。というわけで、1万ドルの壁を越えるには、経済的な自由を確保するために、政治的な自由、つまり民主主義が必要というのが、これまでの経験則だ。

 筆者は、この点は中国も例外ではないと思っている。しかし、中国は今の共産党体制である限り、政治的に一党独裁を守らなければならず、政治的な自由には限界がある。これまでは1万ドルに達していなかったので経済成長が可能で、その矛盾を解消できた。しかし、現状では1万ドルにさしかかっている。

 それを乗り越えるには、民主化が必要というのが経験則だが、昨今の香港問題をみれば分かるように、中国は民主化しないまま1万ドルの壁を越えようとしている。

 その手法の一つは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を通じた「一帯一路」構想で、国内ではなく国外での経済活動に活路を求めようとした。だが、これまでのところ、パキスタンの地下鉄建設などで既に失敗だったと国際社会から評価されている。

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