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【高橋洋一 日本の解き方】盛り上がらない与野党論戦 学術会議問題に冷める国民、経済政策など議論すべき (2/3ページ)

 法学者が法律違反と主張するなら、訴訟を起こして、それを大学で講義すれば、学生のためにもなるだろう。それをしなければ、主張の信憑(しんぴょう)性が問われてしまう。

 そもそも任命されない理由を明らかにせよとの、彼らの言い分は常識外だ。テレビのコメンテーターは、人事を実際にした経験がない人が多いためか、浮世離れしている。

 筆者は数百人以上の人事経験があるが、人事には少なくとも半数以上の不満がある。全員の希望を聞いていたら、みんな幹部職員になるはずだが、現実にはできない話だ。人事の理由は明らかにしないのが当然だ。採用時に不採用理由を明らかにする会社などまずないが、社会はそういうものだ。

 もし不服があれば訴えればいいが、任命権者には裁量が認められており、著しい不利益がない限り、訴えは通らない。任命を拒否された学者も、拳を振り上げたものの、訴訟ができないことをようやく分かり始めたのだろうか。

 そもそも学術会議会員にならないと学問の自由がなくなる、というロジックも怪しいものだ。筆者は学者の端くれで、学術会議会員になったことはないが、学問の自由を謳歌(おうか)している。筆者は毎年、文部科学省の科研費で「文科省の天下り研究」を申請している。残念ながら、昨年まで採択されていないが、研究する自由は確かにある。

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