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エリート養成校をめぐり札束が飛び交う北朝鮮の「汚受験」 (2/3ページ)

 この決定に強い不満を抱いた6人の親は、決定を覆すべく行動に出た。保衛部長が不正行為を行ったと「信訴」を行ったのだ。

 信訴とは、公務員による不正行為を告発するシステムだ。訴えられた側が逆襲されたり、訴えが途中でもみ消されたりすることもあり、決して気軽に使えるものではない。子どもを革命学院に送れるほどの家族と言えども、保衛部に妨害されかねないと判断したのだろう。こんな手法を使った。

 「南浦革命学院に行くことになった子ども6人のうち、2人の母親が代表で信訴の手紙を書き、朝鮮労働党黄海北道委員長の家の前で2日間待って、直接手渡した」(情報筋)

 (参考記事:「訴えた被害者が処罰される」やっぱり北朝鮮はヤバい国

 訴えの内容とは、保衛部長が6人の書類を偽造して、万景台革命学院ではなく、南浦革命学院に行くように細工したというものだ。その裏では、他の受験生の家族から400ドル(約4万1000円)から1000ドル(約10万3000円)のワイロを受け取り、実力不足にもかかわらず、万景台革命学院への推薦を出したという、衝撃的な告発だ。

 党委員長はすぐに問題の検討に入り、信訴の内容を真実と認定。6人の子どもには問題がなく、むしろ保衛部長の決定に問題があったとの結論を出した。保衛部長は党委員会での思想検討(激しい批判)を受け、大佐から上佐に降格され、党からの厳重警告を受けた。

デイリーNKジャパン

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