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73歳で「妖怪博士」に 百鬼夜行研究、足かけ19年で博士号取得 (1/2ページ)

 ユーモアあふれる妖怪たちが大勢で行進する「百鬼夜行」の研究で、愛知県幸田町の名倉ミサ子さん(73)が今年9月、博士号(日本文化)を取得した。2002年4月、54歳で大学に入学して足かけ19年。大きな目標を達成したが、「学び続けるという一生の楽しみを教えてもらった。まだ論文にできていない部分もあり、形にしたい」と先を見据える。

 名倉さんは同県蒲郡市出身。高校生の頃、病気のため大学進学を断念した。保育所や家具工房に長年勤めたが、53歳の時に社会人入学の本を手にして「憧れがよみがえった」と一念発起。愛知県立大文学部を受験し、晴れて合格した。

 若い学生に囲まれて「年齢を忘れておしゃべりを楽しんだ」と振り返る。大学3年の講義で百鬼夜行の絵巻に出合った。数多く制作されている中でも特に引かれたのが「真珠庵本」と呼ばれる室町時代の絵師、土佐光信作と伝わる絵巻だった。

 多くの妖怪が躍動感あふれるタッチで描かれ、国の重要文化財に指定されている。ただ絵だけで説明文がなく何をしているのか分からない。卒業論文のテーマに選び06年に学部を卒業した後も、さらに学ぼうと09年に大学院に進んだ。

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