記事詳細

政府への不満募る専門家 分科会の度重なる提言も「危機感伝わらない」 (1/2ページ)

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)が25日に感染状況の基準で上から2番目の「ステージ3(感染急増)」相当の対策が必要となった地域への往来自粛など踏み込んだ提言を行ったのは、感染症や医療の専門家による政府に対する不満の表れといえる。専門家の間には「危機感が政府に伝わらない」との焦りや怒りが渦巻いていた。

 「選挙で選ばれた人は経済に対する配慮が強い。どうしても判断に躊躇(ちゅうちょ)する部分があったのではないか」

 尾身氏は25日夜の記者会見でこう語り、経済再生に軸足を置く政府をこうおもんぱかった。

 新型コロナをめぐる認識の違いは観光支援事業「Go To トラベル」に最も表れていた。分科会は20日の提言で運用を見直すよう政府に「英断」を求めた。だが、政府が24日に決めたのは、感染拡大地域を目的地とする旅行を割引対象外にする内容だった。東京など人口の多い大都市からの出発まで制限すれば「トラベル事業が成り立たなくなる」(政府高官)という判断からだった。

 これに対し、分科会メンバーでもある日本医師会(日医)の釜萢(かまやち)敏常任理事は「札幌市と大阪市だけを対象にしてやめるようなレベルではない。日本全体で移動の抑制を考えなければ間に合わないかもしれない。どうしたら危機感を共有できるのか」と悲痛な表情を浮かべていた。

関連ニュース