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【高橋洋一 日本の解き方】TPP参加意欲示した中国、本音はルールの書き直しか 日本は英国や台湾を引き込んでリードすべき (1/2ページ)

 中国の習近平国家主席が、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に意欲を見せた。

 習氏は「自由で開かれた貿易や投資を促進させ、早期にアジア太平洋地域の自由貿易圏を構築しなければならない。中国は東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)の署名を歓迎し、TPPに加入することを積極的に検討する」と述べた。

 複数国間の経済協定には、単純化して大別すれば2種類ある。1つは自由貿易協定(FTA)だ。これは主として、モノを対象としてその関税をお互い引き下げるものだ。

 もう1つは経済連携協定(EPA)だ。これは、主としてモノを対象に関税を引き下げるFTAに加えて、投資の自由化、知的所有権などを加えたものだ。最近、複数国間の経済協定は、FTAからEPAに移行しつつあるが、同じEPAでも、個別事例によって、扱う範囲はかなり異なっている。

 TPPはEPAの一種であるが、投資の自由化、知的所有権のほか、国有企業改革なども広範な項目があり、その内容も厳しい。一方、RCEPもEPAの一種で、投資の自由化や知的所有権の項目はあるものの内容は緩く、国有企業改革は項目すらなく、EPAとはいうもののFTAにかなり近いものだ。

 このため、一党独裁の共産主義国家である中国には、TPPのハードルは高い。もし、TPPに無条件で加盟しようとすれば、中国は国家体制を見直す必要も出てくるくらいだ。

 というのは、共産主義は生産手段の国有化が建前であるが、投資の自由化や国有企業改革を推し進めると、生産手段の国有化は困難になるからだ。ベトナムも一党独裁共産主義国家であるが、中国との対抗上、TPPに加盟した。いずれ国家体制を見直す覚悟といわれている。

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