記事詳細

韓国・検事総長「職務停止」問題 常軌を逸する措置で混乱も (1/3ページ)

 韓国の政府内で露骨な権力闘争ともいえる事態が勃発した。韓国メディアは今、文在寅政権の秋美愛(チュ・ミエ)法相が、検察トップの尹錫悦(ユン・ソギョル)検事総長に対して行なった「懲戒請求」と「職務停止処分」で持ちきりである。尹検事総長といえば、2019年7月、文大統領により抜擢された人物。就任後は「検察改革」を旗印に掲げる文政権にも対決姿勢を取り続け、時の政権にも与しないその姿勢が、国民からも広い支持を集めてきた。その検事総長が職務停止処分を受けるとは、どういう事態なのか。

 『韓国「反日フェイク」の病理学』(小学館新書)の著書がある韓国出身の作家・崔碩栄(チェ・ソギョン)氏は、尹検事総長という人物についてこう語る。

 「2016年の朴槿恵大統領(当時)の弾劾で、崔順実(チェ・スンシル)氏の国政介入を捜査した特別検察官チームで捜査チーム長を務めたのが尹氏です。文大統領は彼を高く評価し、大抜擢して検事総長に任命した。ところが、尹氏は非常に職務に忠実な人で、右派も左派も関係なく、曹国(チョ・グク)前法相をめぐる疑惑捜査の陣頭指揮を執るなど、文政権にも厳しい姿勢を取った。期待していたのと正反対の行動を取る尹氏は、文政権にとって邪魔な存在になっていたのです」

 文大統領は、“検察改革”の名の下、検察の権限を縮小させる改革を進めてきた。その一つが「高位公職者犯罪捜査庁」の創設で、2019年12月30日に設置法案が国会で可決され、大統領や首相など政府高官や国会議員らに対する捜査は、検察ではなく大統領直属機関が行なうこととなった。日本で例えれば、東京地検や大阪地検の特捜部が廃止され、首相直属の機関が政治家の汚職を捜査する体制になったようなものだ。

NEWSポストセブン

関連ニュース