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韓国・検事総長「職務停止」問題 常軌を逸する措置で混乱も (2/3ページ)

 さらに、曹国氏の後任である秋法相は、2020年1月の検察人事で、曹氏一家の不正の捜査を指揮していた韓東勲(ハン・ドンフン)大検察庁反腐敗・強力犯罪部長を筆頭に、尹検事総長の腹心の幹部32人を一斉に地検や閑職に左遷した。後任には、文大統領の大学時代の後輩や盧武鉉政権時代の青瓦台スタッフらが就任している。

 「ここまで追い詰めれば尹氏は辞任するだろうと思ったら、彼は辞めなかった。それでとうとう、尹氏側への監察を妨害したなど5つの不正を行なったとして、懲戒請求と職務停止という強硬手段に訴えたのです」(崔氏)

 秋法相は、早ければ12月第1週目に法務部の「検事懲戒委員会」を開くと見られている。7人の委員の過半数を法相が選べるので、ここで解任処分が決定する見込みだ。

 この措置には尹検事総長も黙ってはいない。11月25日にはソウル行政裁に職務停止の執行停止を申し立て、法的に争う姿勢を見せており、また、韓国の検察関係者も一部反発の動きを見せている。朝鮮日報(11月26日付)によると、〈大検察庁の研究官らは25日、会議を開き、「秋美愛法務部長官の指示は違法で不当な措置だ」とする声明を出したのに続き、釜山地検東部支庁の検事らも全国の検察庁で初めて、末端検事による会議を開き、同様の立場を表明した〉という。

 検事らは「違法で不当な措置だ」と訴えているが、そもそも法相に検事総長を解任する権限はあるのか。元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏はこう答える。

 「検事の懲戒制度はありますが、こういう形での運用は想定されていないはずで、職権乱用に当たるのではないかというのが争点になるでしょう。実際、秋法相の今回の措置は常軌を逸している。

NEWSポストセブン

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