記事詳細

韓国・検事総長「職務停止」問題 常軌を逸する措置で混乱も (3/3ページ)

 なぜここまでやるのかというと、ある疑惑が持ち上がっているからと考えられます。秋法相の息子は、2017年の兵役中、病気休暇で家に帰ったあと部隊に戻らず、秋氏の補佐官らが軍に電話をして、休暇延長の扱いにさせたという疑惑が出ていて、今年9月にソウル東部地検は国防部を家宅捜索しています。本来なら脱走扱いで軍法会議にかけられるところを、圧力をかけて救ったという疑惑です。捜査から息子を守りたい母親の一念が、尹氏への恐怖と憎悪となって解任へと暴走しているのではないか」

 この件はすでに韓国で報道されているので、もし尹氏を解任すれば、秋法相も大きなイメージダウンを免れないが、それでも強行しようとする姿勢には執念を感じざるを得ない。

 現実に尹氏が検事総長を解任された場合、訴訟以外に巻き返す手段はあるのか。少々荒唐無稽かもしれないが、2022年の大統領選への出馬という方法がある。韓国の世論調査会社ハンギルリサーチが11月11日に発表した調査結果によると、尹氏本人は出馬を口にしていないにもかかわらず、次期大統領選挙への出馬が予想される人物中、尹氏の支持率が1位(24.7%)だったという。

 「尹氏は朴槿恵弾劾に関わったので、与党の左派だけでなく、野党の保守派も皆が皆、支持しているわけではない。政界に支持基盤と人脈がないので、出馬はそんなに簡単ではありません。次期大統領選候補で支持率トップになったのは、他に有力候補がいないからで、反文在寅の票が集まっただけと考えられます」(崔氏)

 ただ、多くの韓国国民から人望の厚い尹氏が出馬すれば、左派からも右派からも票を集められるはずで、台風の目になることは間違いない。

 ◆取材・文/清水典之(フリーライター)

NEWSポストセブン

関連ニュース