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【高橋洋一 日本の解き方】王毅外相の尖閣発言は挑発に乗った中国外交の失敗 習主席の来日問題先延ばしに好都合 (1/2ページ)

 中国の王毅国務委員兼外相が来日時に、沖縄県・尖閣諸島について発言したことをめぐり、国内で怒りの声が出ている。

 王氏は、中国共産党内の序列はそれほど高くない。中国外交の実質的な権限者は楊潔チ(よう・けつち)中国共産党中央政治局委員であり、今年2月に、習近平国家主席の来日について茂木敏充外相と会談している。

 今回の王氏の来日は、当初は10月に予定されていたが、QUAD(クアッド=日米豪印4カ国外相会談)が東京で行われたので、延期されて11月になった。

 延期された習主席の来日について仕切り直しするのが目的で、王氏で探りを入れてきたのではないか。となると、王氏の役割は、習主席の来日の環境作りということになる。

 しかし、王氏は、茂木外相との共同記者発表で、尖閣諸島について一歩も譲らないとの発言をした。これに対して、茂木外相がその場では明確に反論しなかったこともあり、国内で怒りの声が出ている。

 記者発表は1度ずつ発言するというルールだったというが、「尖閣に領土問題は存在しない」など、茂木氏はその場で従来の政府見解を短く主張すべきだった。王氏が強硬な発言をしたのは中国国内向けであろうが、記者発表でそう言わせたのは、多少皮肉を込めれば日本外交の成果ともいえる。

 王氏の目的が習主席の来日の環境作りなのであれば、できるだけ友好的な態度で、日中間に問題がないように振る舞うのがセオリーだ。そして、日本人に友好的に振る舞っておき、習主席の来日への反発を一時的にせよできるだけ少なくしておくのが、中国にとって都合がいい。

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