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【ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて】アルコール依存の鉱山労働者イワン (1/2ページ)

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!

 ウラルのある町で洋服店を経営している父の知り合いが、1年ほど前から時々彼の店を訪ねてくるイワンという一人の中年男性についての話をしてくれました。

 初めて店に来たときのイワンは「お元気ですか?」と店主に語りかけ、短い話をして帰っていきました。数週間後、イワンは再び店に来て店主と少し会話すると、唐突に「試着室を貸してほしい」と言い、そそくさと中に入っていきました。

 すぐに試着室の中から何かのボトルを空ける音が聞こえてきましたが、店主は彼が中で何をしているかわかっていました。

 それは医療用に薬局で売られているサンザシチンキの250ミリリットルボトルを空ける音でした。サンザシチンキにはエタノール成分が含まれておりウオツカよりも安価であるため、アルコールの代替品として貧困層を中心に地下で浸透していきました。

 サンザシチンキを飲んで試着室から出てきた後のイワンの表情は、ゆっくりと溶ける角氷のようになり、口調軽やかに自分の人生を語り始めました。

 イワンは現在57歳の鉱山労働者です。彼は一度50歳で引退しましたが、家族を養うために再び鉱山に戻りました。ほとんどの若い鉱山労働者は、より高い給料を得られるロシア北部へ行きますが、若くはないイワンにとってそれは無謀な挑戦で断念せざるを得なかったそうです。

 鉱山での仕事は昼夜のシフト制でかなりハードです。1日12時間地下深くの坑道に潜り作業をして24時間休憩し、また出勤することを繰り返し、小さなけがも絶えません。

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