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「尖閣、沖縄を放棄せよ」中国王毅外相“暴言”の真意 「四つの原則的共通認識」という言葉に注目・警戒 日本沖縄政策研究フォーラム理事長・仲村覚氏が解説 (2/2ページ)

 「四つの原則的共通認識」とは、日中が合意した4つの政治文書のことで、1972年の「日中共同声明」と、78年の「日中平和友好条約」、98年の「日中共同宣言」、2008年の「日中共同声明」を指す。

 王氏は事実上、「これらの政治文書に従って、日本は尖閣諸島の主権を放棄せよ」と主張したようなのだ。尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土だが、一体、どういう理屈なのか?

 72年の日中共同声明の第3項には、「日本はポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」と書かれており、ポツダム宣言第8項には、「カイロ宣言の条項は履行せらるべく、また、日本国の主権は、本州、北海道、九州及び四国並びに吾等が決定する諸小島に局限せらるべし」とある。

 つまり、中国側としては、「ポツダム宣言第8項には沖縄(琉球)は含まれておらず、釣魚島にいたっては論外。米国は中国に断りなく、日本に沖縄の施政権を渡した。中国は、サンフランシスコ講和条約も、沖縄返還協定も認めない。日米両国は、カイロ宣言、ポツダム宣言を遵守して、沖縄の主権を放棄すべきだ」という理屈なのだ。

 とても日本も米国も同意できる話ではない。外務省のHPも、「日中外相会談及びワーキング・ディナー」として双方の発言内容を記しているが、「四つの原則的共通認識」は無視している。

 もはや、「日中友好」と、「尖閣・沖縄防衛」を両立させることは不可能ではないか。

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