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【大前研一 大前研一のニュース時評】中国、ワインで豪州に嫌がらせ 不必要な反ダンピング措置、米国には躊躇するくせに…弱い相手にはためらいなし (1/3ページ)

 豪州のワイン生産の最大手「トレジャリー・ワイン・エステーツ」は、中国向けの出荷を欧米など他市場に振り向ける方針を明らかにした。同社は利益の約3割を中国市場で得ているが、中国商務省の「豪産ワインが不当に安く輸入された」とする反ダンピング(不当廉売)措置に対応したもの。

 反ダンピング関税措置は、輸出国の国内価格よりも低い価格による輸出が輸入国の国内産業に被害を与えている場合、価格を正常な価格に是正する目的で賦課されるもの。輸入業者は豪産ワイン輸入時に保証金を税関に納める必要がある。トレジャリー社のワインには輸入額の169・3%の保証金率が適用される。

 トレジャリー社の高級銘柄「ペンフォールド」は中国ですごい人気で、割当量も世界の25%を占めている。ダンピングする必要はない。これは中国らしい嫌がらせだ。

 豪州のワインの輸出先は中国が4割近いシェア。豪州政府の統計によると豪州産ワインの対中輸出額は2019年、過去最高の13億豪ドル(約1000億円)を記録し、中国は世界最大の豪州産ワイン市場となっている。

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