記事詳細

PCR検査規模拡大で忍び寄る「偽陰性クラスター」 検査時の一瞬だけ…実際は「陽性」 元厚労省・木村盛世氏「やみくもに広げることに疑問」 (2/2ページ)

 PCR検査をめぐっては、2000円弱から3000円程度の低価格で行う民間機関も人気を集めている。

 前出の児玉氏は、「民間のPCR検査によって、確認される陽性者数は増え、一時的に医療体制が逼迫する可能性はある。しかし感染が疑われる人を野放しにすれば、さらなる感染拡大を許してしまう。その意味では、民間による検査も必要だ」と評価する。

 菅原氏は「民間の検査で陽性だった場合、医療機関にかかり再度検査を受けるよう推奨されている。軽症・無症状であれば自宅での療養に移る患者も多く、必ずしも医療体制の窮迫につながるとはいえない」とみる。一方で「民間の検査では唾液を採取する事例が多く、鼻の奥をぬぐう検査と比べ検査結果に十分な精度を見込めるかという点が課題だ」と話す。

 症状がなくても民間などのPCR検査を受ける場合、体調不良で会社を休んで復帰する際や、取引先との商談や接客にあたって「陰性証明」を求められるといったケースもある。帰省や旅行をする際、検査で「陰性」となれば安心できると考える人もいるようだ。

 だが、元厚労省医系技官の木村盛世氏は「検査キットの精度も世界各国、メーカーごとに異なり、偽陰性だった場合の責任の所在も明確ではない。単なる不安から検査を受け、陰性だったからといって高齢者に安易に接触するのは非常に危険だ」と警鐘を鳴らす。

 PCR検査をめぐっては、当初から、とにかく規模を拡大すべきだという論者は多い。

 木村氏は、「PCR検査を拡大すべきだと主張する人も多いが、韓国など検査を大規模に実施した国でも感染再拡大のリスクを免れていない。民間検査を否定するものではないが、行政との連携がないまま、やみくもに広げることには疑問を感じる」と断じた。

関連ニュース