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【日本を守る】二分化するアメリカの一方で、日本が直面する「見えない敵」 伝統的な束縛を嫌い国家が溶解…グラムシの不吉な予言通りに? (1/2ページ)

 日本は中国と並ぶ、もう1つの敵に直面している。見えない恐ろしい敵だ。米国が大統領選後に大混乱に陥っているが、これは民主党対共和党の政争ではない。

 私は毎年、春と秋にワシントンに通ってきた。今年は新型コロナウイルスのために訪れていない。

 ドナルド・トランプ政権で、ホワイトハウスの幹部を務める友人が「政権ではみな、アントニオ・グラムシの著書を勉強している」といった。

 私はグラムシを「20世紀のノストラダムス」と、呼んできた。グラムシは、イタリア共産党書記長を務めた。第二次世界大戦の2年前、ムソリーニのファシスト政権に逮捕され、45歳のとき、獄中で病死した。

 グラムシは、階級闘争によって歴史の必然として革命が成就して、共産社会が実現するというマルクス主義の理論を否定した。科学技術が進んで豊かさが増す結果、人々が自由放縦となって、理論も革命への自覚も欠き、組織されない一般の人々に権力が移って伝統社会が解体するために、国家が消滅すると予言した。

 共産主義者として国家の消滅を目標としたが、グラムシは伝統社会に根ざしたさまざまな慣習を、人々を抑圧する装置だとみた。この不吉な予言が当たろうとしている。

 いま米国を二分している対立は、4年前の「トランプ対ヒラリー・クリントン」の戦いと同じものだ。

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