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エベレスト標高論争決着 中国の従来主張より4.43m高かった (2/2ページ)

 ネパールは今回初めて独自に測量を行ったが、そのきっかけは2015年に死者約9000人を出したマグニチュード7.8のネパール地震だった。カトマンズの北に位置し震源地に近いランタン・ヒマールなど、ヒマラヤ山脈の他の高山が地震後、1メートル近く標高が下がったことが、専門家らによって報告されたためだ。

 ネパールの地上測量員4人が2年間の訓練を経て、昨年、エベレスト山頂に登頂するなど計測作業を開始した。その後、中国の習近平国家主席がカトマンズを訪れた際、ネパールのバンダリ大統領との間で、世界最高峰の標高を新たに共同発表することで合意。

 中国側も人民解放軍の登山専門家ら含めた中国測量隊が今年5月に登頂。新型コロナウイルス対策で登頂が禁止となった今年、山頂に立った唯一の登山隊となった。

 両国とも三角法による正確な算出のため、12の山の標高を利用するとともに、GPSも併用して、測定精度を高めた。その結果が8848.86mで、ネパール側が従来から主張していた「8848m」よりも、86cmしか誤差はなかったことになる。

 この結果について、習主席はバンダリ大統領に書簡を送り、「両国関係を発展させるべき」などとして中国側が妥協した形となった。この背景には中国はネパールと国境を接するインドと国境紛争がある。中印両軍は現在、ネパール国境に近い山岳部で対峙している。中国にとって、ネパールの協力を得る必要があることから、両国間の「エベレスト標高論争」は中国側の政治的な思惑含みで解決をみたといえるかもしれない。

NEWSポストセブン

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