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【高橋洋一 日本の解き方】過去最大予算とメディア報道 経済的死者抑制の狙い伝えず財政拡大批判するミスリード (1/2ページ)

 2020年度は、新型コロナウイルス対策のために3度の補正予算が組まれ、新規国債発行額は112兆円程度と、これまで最大だった09年度の52兆円の2倍超に膨らんだ。21年度予算も閣議決定され、当初予算ベースで106兆円と過去最大になった。メディアでは「空前の借金」「遠のく財政健全化」などと報じられているが、こうした見解は妥当なのか。

 メディアのいう「財政健全化」とは、国債残高の上昇を意味しているようだ。

 国債には、一般会計発行のものと特別会計発行のものがある。特別会計発行のものは、財投債が多い。財投債については見合いの資産があり、その資産が毀損(きそん)しない限り、財政危機とはならない。

 財投債による資金は政府関係機関向けが多く、そこは官僚の天下り先なので、財政的には問題がないように各種の手当てがされている。このため、財投債の見合い資産には問題はまずない。財務省もその理由で、「財投債は国債ではない」という。しかし、市場から見ると、一般会計国債と財投債を区別することはできず、同等に取引されている。

 このロジックに基づくと、国債といっても見合い資産があれば問題ないとなる。これを進めると、国債残高自体が問題なのではなく、国債という負債とともに、資産も含めたバランスシート(貸借対照表)で財政状況を判断するという、極めて常識的な見解に行きつく。

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