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【回顧2020】「強い日本」が混乱する世界を救う 全体主義的傾向を強める中国と民主主義揺らぐ米国 政治学者・岩田温氏 (1/2ページ)

 時間を経た後に歴史の分水界は明瞭となる。遠い将来から振り返ったときに、歴史の分岐点と呼ばれるのが本年(2020年)であるかもしれない。

 不穏な雰囲気が漂い始めたのは中国だった。新型コロナウイルスが猛威を振るい始めたのは武漢からだった。瞬く間に世界中で感染が広がり、おびただしい人が病に斃(たお)れた。米国では30万人を超える人々が亡くなり、第二次世界大戦の死者数を越えた。

 米国が怒りの矛先を向けたのは中国だ。この怒りは中国の悪辣(あくらつ)な手口や主張に向けられたものではない。中国の国家体制そのものに対する憤りなのだ。

 かつて、リチャード・ニクソン米大統領と、ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャー国務長官は、対ソ外交のために中国を利用しようと考えた。さらに、中国がトウ・小平氏のもとで経済的自由化を進めると、いずれ民主化を遂げるものだと楽観視した議論が飛び交った。

 だが、こうした楽観論は、ただの思い込みに過ぎなかったのではないか。

 中国の本質とは、ソ連と同じく「邪悪なる全体主義的な体質」ではないかという疑念が強まっている。この疑念を強めるように行動しているようにしか思われないのが現在の習近平国家主席だ。諸外国に好戦的な姿勢で臨む「戦狼外交」や、香港における国家安全法の導入、そして、チベット、ウイグルにおける少数民族の過酷な人権弾圧…。

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