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鉄道、宅配、コンビニ、病院が、次々とブラック化するワケ (1/5ページ)

 日本で生活していると、そのありがたさになかなか気付かないが、実はこの国ほど生活インフラが充実している国はない。よく言われるのが、鉄道だ。時刻表通りに秒単位の正確さで目的地に到着する、いわゆる「定時運行」は、日本人の生真面目さと規律正しさを象徴する鉄道文化として、多くの外国人が「世界一」だと評価している。

 ただ、そういう分かりやすいものだけではなく、実は「世界一」は日本にあふれている。例えば、今も年末で大忙しの「宅配」。米国の宅配技術企業「ピツニーボウズ」が10月13日に発表した年間世界宅配便件数指数によると、宅配便取扱個数は中国がダントツで世界一だが、年間1人当たりの受け取った荷物の数では、平均72件で日本が「世界一」となった。

 では、なぜ日本人は世界で最も宅配を利用するのかというと「世界一便利」だからだ。低価格で全国どこにでも驚くほど迅速に届けてくれて、しかも細かな時間指定や再配達にまで対応してくれる。「遅い!」「荷物が壊れている」と文句を言う人も多いが、ここまで手厚い宅配サービスを提供している国は、世界を見渡してもそれほど多くない。

 日本人が荷物を届けることに強いこだわりを持っているのは、郵便サービスの質が世界トップレベルであることからもうかがえる。万国郵便連合(UPU)が世界170の郵便事業を調査した「郵便業務発展総合指数」で日本は17年、18年と「郵便のサービス品質が高く他国に優れている」「アジア太平洋地域で抜きん出た郵便サービスの品質を維持している」などベタ褒めされて3位に輝いている。

 また「世界一便利」ということでいえば、忘れてはいけないのが、コンビニだ。24時間いつでも食品、弁当、惣菜、雑誌などが買えるだけではなく、ATMや各種支払いができて、チケットや宅配の受け取りもできる。最近では、カフェまで併設して飲食ができる。ここまで便利なコンビニは世界を見渡してもそうない。

 ◆医療の手厚さも「世界一」

 これを実現させているのは、大手コンビニチェーンのネットワーク力だ。現在、日本には5万5906店(日本フランチャイズチェーン協会 20年11月度)のコンビニがあって、その9割を大手3社が占めている。コンビニの数だけ見れば、日本よりも人口の多い米国や中国のほうが圧倒的に多いが、「寡占」ともいえるほどはりめぐらされた大手チェーンの店舗ネットワークは日本だけだ。

 例えば、日本の約2.6倍ほど人口のいる米国のコンビニ市場は15万3000店と言われているが、そのほとんどはガソリンスタンドに併設した「個人商店」なので、サービスの質はバラバラ。日本国内で2万1038店舗(20年11月末現在)あるセブン-イレブンも、米国とカナダを合わせて約9800店舗ほどの展開で、米国内でのシェアはわずか1割にも満たない。

ITmedia ビジネスオンライン

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