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【政界マル秘紳士録】自民党・二階俊博幹事長 首相に「頼られ過ぎ」は逆に不安定要素か 菅政権誕生の流れを主導、押しも押されもせぬキングメーカー (2/2ページ)

 その後、自由党の政策が実現されないとして連立解消を主張する小沢氏ら連立離脱派とたもとを分かち、保守新党を結成して連立に残留した。小渕内閣を引き継いだ第1次森喜朗内閣でも留任した。その後、保守新党は自民党に合流、二階氏は約10年ぶりに自民党へ復党した。

 こうしてみると、二階氏が政治家として大成する分岐点となったのが「小沢氏との決別」だったことが分かる。

 二階氏の一流の嗅覚と勝負勘、一気に流れを作る手法、懐の深さ、人情の機微に触れた心配りは、当代随一である。山あり谷ありの政治経歴で培ってきたものだろう。

 しかし、政界は「嫉妬の坩堝(るつぼ)」「権力闘争の連続」である。あまりの隆盛ぶりに、不満のマグマがたまってきているのも事実だ。

 自民党、とりわけ菅首相は、いささか二階氏に頼り過ぎているのではないか。二階氏とてスーパーマンではない。上手の手から水が漏れることもあり得るし、高齢に伴う健康問題は常に付きまとっている。

 二階氏の存在によって政権が安定している半面、頼り過ぎれば、逆に不安定要素ともなる。そのバランスをどうとるかが、今年の課題ではないか。

 ■伊藤達美(いとう・たつみ) 政治評論家。1952年、秋田県生まれ。講談社などの取材記者を経て、独立。永田町取材三十数年。政界、政治家の表裏に精通する。著作に『東條家の言い分』『検証「国対政治」の功罪』など多数。『東條家の言い分』は、その後の靖国神社公式参拝論争に一石を投じた。

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