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【高橋洋一 日本の解き方】緊急事態宣言は「遅れた」のか? マスコミの論調に騙されるな 予備費5兆円で十分な補償を (2/2ページ)

 マスコミは、こうした経緯をあまり報道しない。その一方で、さしたる根拠のない「Go To トラベル」たたきをしていた。さしたる根拠がないというのは、GoToトラベルによる人の移動は、同時期における日本の人の移動の1%にも満たないからだ。案の定、GoToトラベルの一時停止に効果がないことが明らかになると、マスコミは緊急事態宣言に向かい、菅義偉政権の「遅れ」を指摘したうえで、今回の宣言も「手遅れ」という論調だ。あれほど騒いでいたGoToトラベルはすっかり忘れて、政権たたきに一生懸命だ。

 今回の緊急事態宣言は、補正予算を組むという手順を経た上なので、「遅れ」という指摘は当たらないし、飲食店の時短を協力金の割増で強化することなので、感染拡大の防止に一定の効果はあるだろう。

 懸念されるのは、経済的な打撃であるが、今年度補正で用意した予備費はまだ5兆円もある。飲食店の時短強化による経済的な打撃を大きく見積もっても、予備費の範囲内に収まるだろう。経済的な打撃を抑えるためにも、第3次補正を十分に活用しなければいけない。

 感染拡大の防止と経済打撃の軽減を同時に行うために、累次の補正予算を組んだのだから、今回の緊急事態宣言で、それらの発動を今こそ行うときだ。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

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