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【お金は知っている】菅首相の発言力と“危機感欠如”に拍子抜け V字型景気回復へ決意表明を (2/2ページ)

 官房長官ならそれで済むかもしれないが、「緊急事態」だと言うのに、これから「国として検討に入ります」というのでは、拍子抜けになるではないか。

 経済についての冒頭発言は「次の時代の成長の原動力となるのがデジタルとグリーンです」「2兆円の基金、税制を活用して、再生可能エネルギーの鍵となる蓄電池を筆頭に、大規模な設備投資や研究開発投資を実現します。このような成長志向型の政策、これからも展開をしていきます」というものだ。

 宰相に対して失礼だが、これでは現実の問題に対する危機感欠如ではないか。「2050年、グリーン社会」物語は結構だが、その前に経済の足下が崩れてしまえば、元も子もない。一昨年10月からの消費税増税ショックに新型コロナ禍の追い打ちを食らい、需要萎縮が激しくなり、デフレ圧力が蔓延(まんえん)しているというのに、デジタル化や自動車業界主力のガソリン車の排除、携帯サービス会社の値下げ競争激化、最低賃金引き上げのスガノミクスとは、一体何を考えているのだろうか。暗然としてしまう。

 グラフは物価・賃金と円ドル相場の推移である。一目瞭然、物価下落以上に賃金が下がるデフレ病が再び悪化している。デフレのために実質金利は日本のほうが米国よりも高く、円高を招いている。今月20日にこのまま米ワシントンで民主党のバイデン政権が発足すれば、円高ドル安に加速がかかりかねない。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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