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【大前研一 大前研一のニュース時評】2021年の出生数が80万人割れへ 生まれた子供を国で支援する制度なく、戸籍の問題も (1/2ページ)

 2021年の出生数について、第一生命経済研究所は77万6000人、日本総合研究所は79万2000人との試算を公表した。

 一昨年に90万人を下回って約86万5000人、昨年は前年比2%減の84万8000人程度になる見通しだが、わずか2年で80万人を割り込むことになる。新型コロナ禍の不安などから妊娠を控える動きも広がっている。

 これ、将来返済の担い手が激減するわけだから日本国債暴落の引き金になるかもしれない。そのくらい深刻な問題だ。

 日本の出生数のピークは団塊世代が生まれた第1次ベビーブーム(1947~49年)。49年の約270万人に比べると3分の1以下の水準だ。団塊ジュニアが生まれた第2次ベビーブームの70年代前半以降、減少傾向が続き、5年前に戦後初めて100万人を割り込んだ。

 一方、一昨年の死者数は約138万1000人。前年より約1万9000人増加し、同年の出生数との差である自然増減数はマイナス約51万6000人。鳥取県の人口に近い数が消失…という規模だ。

 恐ろしい数字をもう1つ。婚姻件数が72年の約110万組をピークに減少している。一昨年は令和婚ブームの影響で少し増えたとはいえ、それでも約60万組だ。

 この問題の背景はいろいろあるが、1つは結婚して子供をつくってしまったら、「やっていけない」という状況がある。日本には、フランスやスウェーデンのように、生まれた子供を国でサポートしてくれるというシステムがない。

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