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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】中国が「気象制御能力」強化 人工降雨で砂漠化阻止が目的 (1/2ページ)

 人工降雨というものがある。昔から地球物理学の夢だった。

 もともとは雨乞いだった。雨が降らないと農業にも生活にも差し支える。雨乞いは世界各地で行われ、歴史は長い。

 人工降雨は20世紀から行われるようになった。雲の中に氷の粒を作るために強制的に雪片を作る物質を散布する手法だ。材料は「シーディング物質」と呼ばれる。散布するのは飛行機が多いが、ロケットや大砲による打ち上げもある。

 人工降雨の材料にはドライアイスやヨウ化銀を使うのが一般的だ。安価な材料で失敗したこともある。2008年、モスクワ上空でロシア軍によるセメント散布が実施された。だがセメントが粉状にならず、民家に落下してしまった。

 かつて雨乞いが成功したように見えたこともある。現代から見れば、大規模な焚き火で出た煙や塵が上空でシーディング物質の働きをしたのではないかと思われる。

 人工降雨は水不足や旱魃(かんばつ)の対策として世界各地で行われてきた。

 また、大きな行事当日の好天を狙って事前に雨を降らせたこともある。

 中国では2008年の北京五輪の開会式は晴れだった。現地は梅雨どきだったが、晴れた。事前にヨウ化銀を載せたロケット1104発が市内21カ所から発射された。

 ロシア(旧ソ連)でも、事前に雨を降らせて行事の当日を好天にしたことがある。

 日本では戦後に電力需要の大半を水力発電に頼っていた。旱魃や渇水期になると発電量は下がって突発的な停電や計画停電が頻発した。このため1950年代から70年代にかけて各地で実験が行われた。

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