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【高橋洋一 日本の解き方】2度目はあるか10万円給付金 4月以降の景気状況で検討も 財政破綻懸念は非常に小さい (1/2ページ)

 昨年、国民1人10万円の特別定額給付金が支給されたが、再び緊急事態宣言が出たなかで、再度支給する可能性はあるだろうか。

 マクロ経済政策の原則は、GDPギャップ(完全雇用を達成する潜在GDP水準と現実のGDP水準の差)をできる限りなくそうというものだと筆者は考えている。過度なGDPギャップがあると、半年程度先には失業の顕在化、それに伴う自殺者数の増加など、社会的に容認できない事態になる恐れがあるからだ。

 筆者の政策提言は、この原理に基づいている。もちろん、GDPギャップを埋めるために、財政政策と金融政策があるわけだが、財政政策には財政破綻の懸念、金融政策にはインフレ目標という制約条件があるので、その範囲内で考える。

 後者のインフレ目標は誰にも分かりやすいが、前者の財政破綻の懸念はやや分かりにくい。筆者が財政破綻を考える枠組みは、日銀を含めた統合政府のバランスシート(貸借対照表)を見て、破綻確率を考えるというものだ。

 一般論として、簿外の徴税権の資産価値を加味した統合政府バランスシートにおいて、債務超過にならなければ、財政破綻の懸念はまずない。現時点で、簿外の徴税権の資産価値は数百兆円ある。統合政府のバランスシートをみると、資産と負債はそれぞれ1500兆円程度だ。要するに、簿外の徴税権分の数百兆円の資産超過であり、ちょっとやそっとでは日本の財政は破綻しない。これが、今後5年程度の財政破綻確率が1%にも達しないという超健全な財政事情の実態だ。

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