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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】浅間山の噴火が起こした欧州の「皆既月食」 天文学的には起きるはずのない日、長らく謎だった原因が明らかに (2/3ページ)

 その「クロノロジー」によれば、硫酸塩エアロゾルの堆積が始まったのは1108年から09年で、13年まで続いた。この層は過去1000年の間では最大のものだった。

 さて、アイスランドの火山ではないとすると一体、どこだろう。

 日本にある浅間山がこの研究で脚光を浴びた。昨年の英国の科学誌に発表された。浅間山は1108年に数カ月におよぶ大噴火が起きているのだ。

 『中右記(ちゅうゆうき)』には「浅間山が7月21日になって突然、大噴火を起こした。噴煙は空高く舞い上がり、噴出物は上野の国(現在の群馬県)一帯に及び、田畑がことごとく埋まってしまった」と記されている。『中右記』は中御門右大臣だった藤原宗忠が1087年から1138年に書いた日記だ。当時の政治や社会の情勢を知るための院政初期の大事な史料だ。正確で有用なものとして知られている。

 この浅間山の大噴火に違いない。欧州での研究では1109年が異常なほど寒い年だったことが分かっている。このほか、1109年から始まった異常気象で、数年にわたって西ヨーロッパが不作と飢饉(ききん)に苦しんだ記述が、さまざまな歴史的文献に残っている。もちろん当時の日本人は欧州への影響など、知る由もない。

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