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チベット自治区の「平均寿命延びた」報道、習政権の狙いにだまされるな 拓殖大ペマ教授「共産党の宣伝活動に過ぎない」 (1/3ページ)

 ウイグルや香港などと並んで中国の習近平政権による人権抑圧が問題視されているチベット自治区で、「平均寿命が延びている」と、中国共産党の機関紙「人民日報」が報じた。唐突な感もある長寿報道について、チベット出身の政治学者で拓殖大教授のペマ・ギャルポ氏は「共産党をよく見せようという宣伝活動」と指摘した。

 人民日報は、最新の統計データとして、チベット自治区の平均寿命が71・1歳に達したと伝えた。2010年時点の推定68・2歳から2・9歳延び、全国平均を上回ったといい、その要因として、衛生技術者や医療施設の増加によって重大疾患を治療できるようになったとしている。

 ただ、ペマ氏は「事実であれば大変うれしいことだが、信憑(しんぴょう)性がない。知人に聞いてもそのような実感はない。医療施設が増えたというのも、人権侵害などないことを強調し、共産党をよく見せようという宣伝活動に過ぎない」と説明する。

 ペマ氏によれば、昨年1~7月までにチベット族約54万人が中国全土の工場などで強制的に労働させられたとする報告もあるという。

 中国政府は貧困対策を理由にしているが、チベット族の伝統的な生活も脅かされ、ラサ市など都市部では、漢民族の移住も年々増加しているという。

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