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森会長の発言真意は“女性蔑視”より“女性登用”では? 不当な「メディアリンチ」こそ深刻な「日本の病」 有本香氏が緊急寄稿 (2/2ページ)

 話し言葉では、文意が錯綜(さくそう)することがしばしばある。慎重に話そうとするあまり、分かりにくくなることもある。その多くの単語を都合よく切り取ってつなげば、話者の意図とはまったく別の「差別発言」に仕立てることも可能だ。

 特に、森氏の場合、首相時代からのイメージが強くある。約20年前、メディアによって連日、発言の「切り取り」をされ、「失言王」に仕立てられた。そのイメージゆえ、今回も「また森さんか…」と全国の人々に容易に信じ込まれた点も大きい。

 今では、森氏の過去の「失言」の大半がメディアの捏造(ねつぞう)、もしくは「切り取り」によるミスリードだったと判明していて、ネット上には名誉回復情報も多く流布しているが、やはりイメージ払拭には十分でない。

 森氏は7年前、五輪組織委会長職就任の依頼を受けた際、「無償」を条件に同職を引き受けた。規約上、報酬ゼロにできないと知ると、自らの報酬をアルバイト職員と同額の最低額にし、その全額を積み立てて、寄せ集めの組織委職員が一致団結できるようにと、皆の懇親会費に充ててきた。

 多くの関係者が「余人をもって代えがたい」という森氏の人脈、交渉力は、2019年に、ラグビーワールドカップが日本招致されたことでも明らかだ。

 7年もの間、「国のため」「五輪のため」に私財をつぎ込み、しかも癌(がん)と闘いながら走ってきた人が、意図を捻じ曲げられたたかれまくる。

 その様を見ていると、日本社会に残る「女性差別」よりも、不当な「メディアリンチ」の方がはるかに深刻な「日本の病」と思うが、いかがか。

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