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【高橋洋一 日本の解き方】「国家公務員の残業代支払い」は河野改革相の一石三鳥の手法 若手官僚や民間も味方になる (2/2ページ)

 筆者の実例は当時でも特殊だったのかもしれないが、残業時間管理もいいかげんだった。残業時間はほぼ自主申告であり、それをチェックする者もいなかった。同僚の中には、予算期には1週間ほど省内の仮眠室(「ホテル大蔵」と呼ばれていた)に泊まり、省内の風呂を利用している者もいた。こうなると、24時間ほぼ職場にいるわけで、どこまでが残業時間なのかさっぱり分からない。

 残業代を支払うなら、残業時間管理を適切に行わなければいけない。残業代を厳密に支払うという河野大臣のやり方は、迂遠(うえん)なようだが問題解決の王道だ。

 と同時に、実態より少ない残業代で抱いている官僚の不満を幾分かは満足させられる。河野大臣はツイッターで、残業代が支払われていなければ知らせてくれと呼び掛けている。

 河野大臣は、規制改革でしばしば幹部官僚と敵対するが、残業手当を増加させると若手官僚が味方になるだろう。さらに、サービス残業は民間にもあるので、民間からも文句は出てこない。

 こう考えると、河野大臣の残業代支払いは、残業時間管理という国家公務員の働き方改革の王道であるとともに、若手官僚や民間からも支持される一石三鳥の巧妙な手だ。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

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