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コロナワクチン「集団接種」が原則 「個別接種」併用は無駄、廃棄ワクチンと供給と予約のミスマッチ招く 村中璃子氏緊急リポート (3/3ページ)

 欧州でも特にフランスは自然志向が強く、ワクチン不信が強いことで知られている。政府は「安心確保」のため、接種予約の5日前までにかかりつけ医の問診を受け、同意書にサインすることを義務付けた。その結果、欧州諸国で接種の始まった昨年12月27日から1週間後の時点で、ドイツの接種者が約30万人だったのに対しフランスは430人にとどまった。

 ワクチン接種で重要なのは、「供給」と「予約から接種までの時間」である。供給が不透明で安定しないからこそ、予約とのミスマッチを減らし、「ブツ」が入り次第、速やかに接種するためにも、集団接種が必須なのだ。

 筆者の暮らすドイツでも当初は「遅い」「予約が取れない」など不満の声が目立ったが、予約を行政が一括管理し、確保できたワクチンの分だけ予約枠を設け、オンラインもしくは電話で予約して集団接種する合理的なシステムを確立した。その結果、ワクチンが届きさえすれば、粛々と接種を進められる体制が整っている。

 日本がどちらにならうべきかは一目瞭然だ。個別接種の併用で無駄を増やしている余裕はない。

 ■村中璃子(むらなか・りこ) 医師、ジャーナリスト。現在、京都大学医学研究科非常勤講師、ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局で、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ対策に携わった経験を持つ。科学誌『ネイチャー』ほか主催のジョン・マドックス賞受賞。近著に『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』(光文社新書)。

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