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【日本の元気 山根一眞】福島原発、報道されない技術者の努力 地震計故障「東電は修理せずに半年以上放置」報道に (1/3ページ)

 東日本大震災から10年。その大きな関心が福島第一原発だ。多くのメディアはその廃炉作業が遅れていることを強調し、最後は東京電力の対応への批判で締めくくるのが常だ。

 未曽有の原子力災害を起こした東京電力の責任は重く、その十字架を負い続けねばならないのは当然とはいえ、この原子力災害の後始末は経験したことがないほど高度な技術力でしかなし得ない。現場では協力企業も含めたエンジニアたちが知恵を出し合い、血のにじむような努力を続けている。

 私が会ってきたエンジニアたちの多くは福島出身で、子供たちの世代に禍根を残さないよう一日も早く廃炉を終えたいという思いで共通していた。だが、彼らの思いも声も努力も伝えられることはほとんどない。

 たとえば、2月13日の福島県沖を震源とする地震(マグニチュード7・3)では、3号機原子炉建屋内に設置した地震計2台が故障していたため地震データが得られなかった、という報道があった。「東電は修理せずに半年以上放置していた」「故障を把握していたが修理を行っていなかった」と批判一色だったが、私は現場のエンジニアたちが「放置していた」とはとても思えなかった。そこでこの地震計について取材したところ、事情がよくわかった。

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