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【住まいの処方銭】冬の夜の地震対策(5) シニアは「入れ歯」も準備、食べ慣れた硬さの食料も

 災害時は、これまでの生活が一変し、一気に「非日常」になってしまう。ましてや避難所に行くならなおさらだ。年を重ねると、環境の変化がもたらすストレスは半端ではない。少しでも精神的な負担を減らすために、シニアが準備したいことを防災士の正谷絵美さんに聞いた。

 「避難所にいる人が『あったらよかったもの』としてよく挙げるのは『入れ歯』です。普段飲んでいるお薬は余分に準備していても、入れ歯は忘れてしまいやすいのです」と話す。

 毎晩、入れ歯を磨いたり、洗浄剤につけたりして、台所や洗面所に置いたままで寝る人は少なくないだろう。だが、大きな揺れで室内が散乱してしまったら、洗面所まで取りに行けるだろうか。たどり着けても暗い中、取り出せるだろうか。

 入れ歯がなければ、食事は噛みづらく、食べにくい。避難所で配られる食料は、一人一人の状態に合わせたものではない。

 正谷さんは「枕元に滑り止めマットを敷いて、その上に入れ歯ケースを置いて飛ばないようにするか、予備を防災袋に入れておきます」とアドバイスする。

 さらに、自分が普段から食べ慣れた硬さの食料を数日分だけでも用意したい。甘いものが好きなら少量でも口に入れると気分がラクになる。

 老眼鏡も忘れずに。避難所では、ペンで自分の情報などを記入する機会が増える。掲示板に張り出された情報を読むこともある。老眼鏡は貸してもらえるだろうが、コロナ禍の今、できるだけ自分のものを使えば安心だ。

 暖かくなってきたとはいえ、夜の避難所はまだ冷える。厚手で滑り止めのついた靴下があると便利だ。避難所によってはスリッパを使えないところがあるからだ。正谷さんによると「パタパタと音がするので苦情が出ることがある」そうだ。

(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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