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【大前研一 大前研一のニュース時評】総務省接待問題で浮き彫り、ズブズブ過ぎる日本の官民 国際標準のルールづくり急務 筆者が経験した欧米企業の厳格な接待規制 (2/3ページ)

 かの委員長は「それ以上の金額になると、われわれが支払わなくてはならない。しかし、そんな出張旅費はもらっていないので、ここから私たちは退席します」と言って、本当にその場から出ていってしまった。

 本国からはるかかなたの日本に来ても、うまそうな食べ物が出てきた瞬間、顔を真っ青にして席を立ってしまう。私も「そこまで厳しいのか」とびっくりした。

 そのくらい接待規制のルールがはっきりしていて、それに抵触することはしない。このことが欧米の企業人の体に染みついているわけだ。

 もう1つ、こんなこともあった。ある半導体関係の会社から売り込みを頼まれ、私は一緒に世界中を回った。お土産を持っていくと、「ありがとう」と喜ぶ会社もイタリアなどにはあったが、米国ニューヨーク州のIBM本社は違っていた。

 お土産を渡そうとすると、対応した副社長が「ちょっと待ってくれ。われわれは納入業者になる可能性がある会社から物をもらうことが禁じられている」と会社のルールブックを見せた。確かに、そう書いてあった。

 副社長は「このお土産は私もほしいし、息子もほしがるだろう。気持ちだけはありがたくいただきます」と続けた。

 そんなわけで、そのルールブック(グリーンブックと呼ばれていた)も後で送ってくれた。そのくらい厳しい。

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