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【高橋洋一 日本の解き方】法案の誤記はなぜ起きるのか 法改正多くても増えない官僚の数、単純ミスを責めるより修正を (1/2ページ)

 今国会で法案の誤記が相次いでいる。これまでに見つかったのは、デジタル改革関連法案の誤字や表記ミス、地域的包括的経済連携(RCEP)協定承認案の日本語訳の欠落や重複など23法案と1条約だ。一部マスコミからは、政府の失態とも指摘されている。

 こうした単純ミスは、ないに越したことはないが、実際には珍しくない。野党議員は「前代未聞」というが、単純ミスは残念ながらよくある。筆者は、元キャリア公務員として立法作業に関わったことも多いほうだが、自分自身のミスもあれば、他の人の過去のミスを修正したこともある。

 はっきりいえば、当事者としてはとても格好が悪い。単純ミスは指摘されるとすぐバレるので、ひたすら謝るしかない。

 法案の作成過程をいえば、少数の人しか関与しないので、こうした単純ミスを撲滅することは困難だ。内閣法制局の担当者を交えて法文の読み合わせをするが、担当者は文章をそらんじているので、なかなか間違いに気がつかない。筆者の場合もそうだった。国会提出の直前に気がついたので、上司に伝えて法案を差し替えるためにすべての印刷をやり直した。今思っても、冷や汗ものだった。

 別の時には、単純ミスに誰も気がつかずに法令法案が成立したが、その後、施行段階で外部からの問い合わせで法令のミスに気がつき、年度末に大量の改正法令が成立するときに、しれっと修正法令を通したこともあった。いずれも単純ミスなので、気がついたら修正するだけだ。

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