記事詳細

【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】前兆あったアイスランド首都で800年ぶり噴火 小規模な地震は5万回以上観測 (2/2ページ)

 今回の噴火での溶岩はハワイの火山から出ているような流れやすいものだった。溶岩の中の二酸化ケイ素の含有量が50%ほどならば粘り気が低い。ハワイの火山からの溶岩流のように、オレンジ色のさらさらした川のような流れになる。

 他方、二酸化ケイ素の含有量が高くて粘り気が高ければ、溶岩が流れ出すことはなく、火口に溶岩が盛り上る北海道・昭和新山や長崎・雲仙普賢岳のような溶岩円頂丘(溶岩ドーム)が作られる。

 また、この地域は比較的雪氷に覆われていないために爆発的な噴火を起こすには水の量が十分ではない。火山灰が出なかった理由のひとつだ。

 今回の噴火は、幸い、溶岩原で人が住んでいなかったために被害は報告されていない。

 しかし心配は残る。地質学的な研究では半島で新たな火山活動のサイクルが始まったときには、1つではなく続いて複数の噴火が起こることだ。

 その他に火口から出る火山ガスの危険もある。

 同国は観光で食べている。流れる溶岩見たさに多くの観光客が火山のまわりに集まっているが、火山ガスの危険から立ち入り禁止にしようかどうかと当局は悩んでいる。

 伊豆大島も火山が観光の目玉だ。かつて1986年に噴火が起きたとき、立ち入り禁止区域の解除を求めて商店が町役場に陳情に訪れたほどだ。

 噴火で観光客が増えると喜んだ地元の危うさは観光立国共通の悩みなのだ。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震-人間が引き起こす地震』(花伝社)。

関連ニュース