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【高橋洋一 日本の解き方】根拠弱いWHOの武漢調査報告 流出説否定のデータは不十分、真相解明の責任は中国にある (1/2ページ)

 新型コロナウイルスについて、「中国・武漢のウイルス研究所から流出した可能性は極めて低い」とした世界保健機関(WHO)の報告書に日米など14カ国が共同声明で異議を唱えた。

 報告書では、(1)中間宿主動物媒介説(2)直接感染説(3)輸入冷凍食品感染説(4)研究所流出説-の仮説があり、それぞれ肯定・否定の見解が書かれている。それらについて可能性の軽重が述べられているが、その根拠が弱い。

 特に(4)の研究所流出説については、「SARS-CoV-2の近縁ウイルスや、組み合わせによってSARS-CoV-2のゲノムを生成し得るゲノムなどについての記録は、2019年12月以前にはどの研究所にも存在しない」とし、武漢研究所の安全レベルは高いとしている。

 しかし、この論証では不十分であり、完結させるには、同研究所の一切の研究記録にも類似の遺伝子情報がないことを示さないといけない。そうした情報提供がないのでは、同研究所への懸念を払拭できないどころか、逆に惹起(じゃっき)しかねない。

 ウイルスの起源を確かめるには、原理的に言えば、初期の新型コロナウイルスの遺伝子配列とほぼ同じものを見つければいい。それが分かれば起源とみていい。遺伝子情報の違いから、変化に要する時間も割り出せるからだ。ただし、これは、言うは易く行うは難しなので、ウイルスの起源を確定するのは難しく、長い時間を要するのが通例だ。

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