記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】公立小学校の「少人数クラス化」は本当に効果あるのか 学習指導要領の撤廃が必要 (1/2ページ)

 文部科学省によると、2020年度採用の教員試験の公立小学校の競争率は2・7倍(前年度は2・8倍)で、1979年度の調査開始以来、最低だった。中学や高校も含めた公立学校全体の競争率も3・9倍(同4・2倍)と、過去最低だった91年度の3・7倍に次ぐ低さだった。

 高年齢層の大量退職を補うために、多くの自治体で教員の採用人数を増やそうとしているが、「過酷なブラック職場」というイメージもあって敬遠され、競争率が下がっているわけだ。

 確かに、教員は授業や試験の採点などのほか、クラブ活動も担当しなければいけない。さらには学校外で起きた出来事までフォローさせられる。コロナ禍で消毒作業などの負担も増えている。

 ただ、競争率の3倍割れは、人材の質が保てない「危険水域」と言われるが、私はそれほど大騒ぎすることはないと思う。

 いま文科省は、学級のサイズをどんどん小さくしようとしている。公立小のすべての学年で「35人学級化」を実現する改正義務教育標準法が、先月31日の参議院本会議で全会一致で可決、成立した。

 すでに1年は1クラス35人以下になっているが、2年生から6年生についても現状の40人以下から35人以下に引き下げる。この4月1日に施行され、まず2年生から段階的に引き下げ、2025年度にはすべての学年で35人学級を実現する予定。

 公立小学校の1クラスの定員が一律に引き下げられるのは、1980年度以来。これを実現させるためには、今後5年間で新たに1万3000人余りの教員や事務職員が必要とされる。

 さらに文科省は最終的には「25人学級」にしようとしている。そうすると、ますます「先生が足りません」ということになる。小学校教員採用試験の倍率の過去最低の更新は、文科省にとっては頭の痛い問題だ。

関連ニュース