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【高橋洋一 日本の解き方】日銀のマイナス金利深堀りで減るのは銀行への「お小遣い」 量的金融緩和に戻るべきだ (1/2ページ)

 日銀が現行のマイナス金利をさらに引き下げた場合、金融機関の利益が数千億円減少するとの内部試算があり、公表を見送ったと報じられた。追加緩和は難しい状況との見解も示されているが、本当だろうか。

 まず全国銀行の預金・貸出などの現状を見ておこう。預金残高は838兆円、貸出残高は536兆円だ。預金金利はほぼゼロであるが、貸出金利は都銀で0・3~0・8%、地銀・第二地銀では0・5~1・1%程度である。

 ここで短期金利のマイナス金利をさらに深掘りすると、短期金利はもちろん、長期金利まで下がると思われる。もともと、貸出金利水準がゼロに近い都銀より、比較的高い地銀や第二地銀の方により引き下げ圧力がかかるので、低下幅は大きくなるだろう。

 一方、預金金利は現状ほぼゼロで、これがマイナスになるとは考えられず、低下余地はほとんどないだろう。預金金利がマイナスになると預金を引き出して、収益率ゼロの現金にするという動きが強まるためだ。貸出金利と預金金利の利ざやが金融機関の収益になるので、都銀より地銀・第二地銀の方がより収益悪化に見舞われるはずだ。

 全国銀行の貸出残高は、536兆円(2月末)なので、マイナス金利を0・1%深掘りすると、銀行業界全体で5000億円程度収益が減少しても不思議ではない。

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