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【ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて】残された息子を見守り続ける「鳥」 (1/2ページ)

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!

 前回はロシアの孤児の問題についてお話ししましたが、今回は知り合いの孤児院の院長ベラが職員時代に体験した忘れがたき物語です。

 今から20年ほど前のある日、ケースワーカーのオフィスに30代の女性から電話がありました。

 「私は7歳の息子を持つシングルマザーなのですが、息子をどこかの孤児院で預かってもらえないでしょうか」

 聞けば、その母親は数カ月前から体調が悪くなり最近病院に行ったところがんを発病していたことが分かり、すでにあちこちにがんが転移してしまった今、自分の命はあと数カ月かもしれない、ということでした。

 母親は続けて言いました。

 「私には頼れる親戚もいません。何とかそちらの方で良い孤児院を探してもらって息子を立派に成長させてください。とにかく時間がありませんので、よろしくお願いします」

 話を聞いたケースワーカーは、その母親の息子ミハイルを孤児院に入所させるために奔走し、まもなく良い環境がそろっていると評判の孤児院にミハイルを入所させることができました。

 その孤児院でミハイルや子供たちをケアしていたのが、冒頭でお話しした職員時代のベラでした。

 ミハイルが入所したひと月後、母親の容体が悪化したと連絡を受けたベラは、ミハイルを母親に会わせるために病院に連れて行きました。

 「ママはもうすぐ天国にいくけど、あなたはしっかり勉強して医者になって病気と戦う人々を助けてあげてね」

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