記事詳細

迫る危険と進むデジタル化…天安門事件の遺品を守れ! 六四記念館が「国安法」で突然閉鎖の恐れ、寄付集めオンライン博物館開設へ

 1989年6月4日に中国当局が民主化運動を武力弾圧した天安門事件。その記憶や歴史を伝える香港の「六四記念館」。中国当局から閉鎖される恐れから、現在、展示される犠牲者の遺品などをデジタル化し、オンラインの「六四記憶・人権博物館」をつくる動きが進んでいる。

 

 記念館の運営が、昨年施行された香港国家安全維持法(国安法)の国家政権転覆罪などに問われる恐れがある。運営する民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)」の李卓人主席は「オンライン化構想はもともとあったが、国安法により記念館が突然閉鎖されることを懸念し、計画を加速した」と話す。

 香港の九竜地区にある記念館には、事件で亡くなった若者らが着ていたTシャツや「愛国無罪」と書かれた頭巾など56点が展示されている。頭を撃ち抜かれた学生のヘルメットには弾痕が残り、流血の惨事の記憶を生々しく伝えている。2019年の香港の抗議デモに関連した展示もあり、天安門事件当時の学生運動と比較できる。

 支連会はオンライン博物館開設のため、昨年6月に始めたクラウドファンディングで150万香港ドル(約2000万円)の寄付を集めた。今年6月4日までの開設を目指している。

 2月末に見学に訪れた、中国本土から香港に留学中の学生(24)は「当時の民主化を巡る議論は今にも通じる内容だ。今の香港人の(抗議)運動も正しいことだと思う」と主張。19年の抗議デモに参加した香港人女性(32)は「昔も今も民主化運動で似たようなスローガンを掲げていることに興味を持った」と話した。

 李氏は「オンライン博物館で事件に関する展示品や資料を永久保存し、歴史の改ざんや記憶の消失を防ぎたい」と訴えている。

関連ニュース