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【日本の元気 山根一眞】キーボードはカウボーイの鞍と同じ 「指先の不快感」を解消した「HHKB」 (2/2ページ)

 その悩みが一気に吹き飛んだのは2003年。96年に登場したキーボード「HHKB」のMac対応版が出たからだ。

 HHKBは、東京大学名誉教授の和田英一さんがデザインしたコンパクトなキー配列をベースに、PFU社が深いストロークでの最高のキータッチを実現。使い始めるやいなや、HHKBはキヤノワード時代同様、体の一部となり「指先の快感」が戻ってきたのだった。そのHHKB、和田さんが語った有名な言葉がある。

 「カウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない」

 私は今、福島第一原発の廃炉技術取材のため福島県広野町のホテルに投宿中だが、カウボーイの鞍のようにHHKBを持参、この原稿をタイプしている。ところがこの数年、毎月投宿している福井県敦賀市の2つのビジネスホテルでは、何年にもわたってHHKBを使えない悩みがあったのである。その経緯と解決策を次回紹介します。

 ■山根一眞(やまね・かずま) ノンフィクション作家、福井県年縞博物館特別館長。北九州博覧祭北九州市パビリオン、愛地球博愛知県総合プロデューサーなど多くの博覧祭、万博を手がけてきた。近刊は『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』。「山根一眞の科学者を訪ねて三千里」(講談社)などを連載中。理化学研究所名誉相談役、JAXA客員、福井県文化顧問、獨協大学環境共生研究所客員研究員、日本文藝家協会会員。

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