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【「朝日新聞」研究】中村新社長メッセージに“大いなる違和感” 「サンゴ礁事件」「慰安婦報道」…世に送り出したフェイクニュース 「歴史の目撃者」論の総括を (2/2ページ)

 現在に至っても、慰安婦問題はちっとも終わっていない。本稿の第1回でも触れた、米ハーバード大学ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授の騒動や、ベルリンなど世界中における慰安婦像問題の存在によっても明らかである。

 「製造物責任法(PL法)」という法律がある。同法に直接抵触しないとしても、形のない大誤報を流したメディアにも、責任があるのではないか。世界に広まっている、日本に着せられている冤罪(えんざい)を、朝日新聞の情報発信力と経済力によって、晴らさなければならない。

 さらに、朝日新聞には、中国の文化大革命期(1966~76年)、中国にとって好ましくないことは、知っていても報道しないという、当時の広岡知男社長が説いた「歴史の目撃者」論の問題がある。これは、『新聞と「昭和」』(朝日新聞出版)にも記されている。

 現在はほとんど忘れられているが、私は日本の報道史上、最大限の不祥事だと考えている。これは、朝日新聞の林彪報道や南京事件報道とも関係しているはずだが、いまだに深い闇に包まれたままである。

 実態を知っている関係者はまだ生存しているはずである。今からでも、その真実を明らかにして、日本国民に説明し、必要ならば謝罪すべきである。

 ■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。70年3月、東大大学院人文科学研究科修士課程修了。同年4月、東大史料編纂所に勤務し、「大日本史料」(11編・10編)の編纂(へんさん)に従事する一方、アジアの民族問題などを中心に研究する。2006年3月、定年退職。現在、新聞や月刊誌で記事やコラムを執筆する。著書に『虐日偽善に狂う朝日新聞』(日新報道)など。

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